世界はそれでも無視して回る

 

2024年3月3日(日)

 

早朝からのバイトを終え、疲労困憊の中で帰宅している途中のことだった。

今日からハード連勤スタート!しかもお腹も腰も痛くて、一刻も早く帰って寝たいという強い意思を胸になんとかバイトを乗り切った。自分を心の中で盛大に褒めながら退勤すると、青空が広がる晴天にすっきりとした空気が気持ちよくて、良い天気に心も晴れやかだった。

そんな帰宅途中、踏切が開くのを待っている時に、約7時間放置したスマホの通知を一つずつ確認していると、「ファンクラブ会員の皆さまへご報告」と書かれたメールの通知を目にし、一気に緊張感が走った。こういうときはまず先に脱退や解散が頭によぎるからである。しかし、「加藤シゲアキより」の文言で脱退か結婚かの2択が浮かび上がった。

慌ててファンクラブ会員サイトにアクセスするも、掛け持ち先のサイトが表示され、若干のタイムロスに焦りが募りながらも急いでログアウトしてNEWSの会員サイトにログインした。

 

加藤シゲアキよりファンの皆さまへご報告」

 

結婚報告だった。

 

この時まず一番に私が思ったことは、脱退じゃなくてよかった〜〜〜〜〜だった。

そしてその次に、"大好きで憧れの自担が結婚をした"という事実に向き合うことになった。

ご報告の文言を読んでいる時にちょうど電車が目の前を物凄いスピードで通過したので、なんかこれドラマみたいじゃない!?などと思う余裕はあったけれど、踏切を渡ったあたりからはもうずっと心が痛かった。

(そっか〜結婚したのか〜そうかぁ…結婚…したんだ…)が頭の中をぐるぐるして、それしか出てこなくて、実感が湧かない現実の出来事をなんとか受け入れようとしつつも溢れそうになる涙を堪えながら足早に歩いていた。

このどうしようもない感情を家に着くまでひとりで抱えることができず、Xを開いてみると、ズラーっと並ぶ驚きと祝福と嘆きの声の数々。一通り確認してから一息つき、さっきよりも色々な感情が私の中をぐるぐると彷徨う。

そんなこんなでいつの間にか帰宅すると、すでに知っているであろう家族が私を心配しながら迎え入れてくれた。

私「終わったわ〜〜☺️」

家族「終わったか〜〜」

それ以上、家族は皆何か聞いたり言ってきたりせずにいてくれたことが救いだった。ここで、色々と話して思っていることを吐き出したりすると、絶対に涙が溢れ止まらなくなってしまう。そう思った私は、今日はこれのために労働頑張るぞ!と今朝から楽しみにしていた、掛け持ち先のお昼の某バラエティ番組を見ることにした。今は面白いものを見てたくさん笑いたいと思ったからである。テレビを見て、純粋に面白いという意味で涙が出るくらい笑って、すべて忘れてしまえるくらいそれはそれは良い30分間だった。

それからも気を抜かずに何かをしていないと一気に崩れてしまうと思った私は、勉強したり筋トレしたりストレッチをしたりと、いつもと変わらない日常の出来事をいつもより少し集中してこなしていった。夜はいつもより少し早く布団に入って寝ようとしたけど寝られなくて、なんだかんだMASTER HITSの時間になって増田さんに癒されるなどした。

ということは、自然とSORASHIGE BOOKも聴く流れになるわけで。もしかしたら結婚報告もあるのかな…と身構えていたら特に触れることなく、「逆にCookieは俺を受け入れてくれるの?!」とか言ってて思わず笑ってしまった。けれど『CHANGES』と『ヒカリノシズク』はグッとくるものがあったし、大好きな声を聴いてまた色んなことを考え始めちゃって。

結局あまり熟睡できずに朝を迎え、瀕死状態でバイトを乗り切るもこれ以上は無理だと思い午後のバイトは休ませてもらうことにした。静かな空間だと沈んでしまうため、騒がしさを求めてテレビをつけるもワイドショーで紹介されるかもしれないと思い、ひたすら色んなMVが流れているチャンネルを流していた。人気になる曲は切ない曲が多いな〜なんて思っていると、流し見していたはずがいつの間にかしっかり歌詞を見て自分と重ねて考えてしまっていた。私の今のこの状況って失恋に近いのかな〜と思ったり。

そんなことを考えている時にふと、今こうやって自分の中に溜まっている思っていることを吐き出し、心の中を整理しようと思い立った。これでスッキリするのかはわからないし、そもそも感情を整理できるのかもわからない。けれど、自己満足でしかないこの場所に書き出すことで、多少は落ち着くことができるだろうし、推しの結婚という初めての経験の記録を残しておいて損はないと考えた。

 

 

ここまでは推しの結婚を知った私自身の行動を、一連の流れとして振り返り文字に起こした。ここからは推しの結婚を経験して思ったことや考えたことをただつらつらと書いていく。

 

 

これまで、同事務所の方々の結婚に対しては、推しではなくても少しの寂しさを感じながら「へー!おめでとうございます!」という気持ちで見てきた。その度に明日は我が身なんて言葉が飛び交うけど、いや…うちはないな…とやはりどこか他人事のように捉えていたのだと今気付く。

加藤さんは、趣味が多くて1人でなんでも楽しめるタイプだから結婚はしないで一生独身を楽しむんだろうなぁ、なんていうのはただのオタクの願望でしかなくて。私が呑気に過ごしている間にも加藤さんはさらに先へ進んでいて、報道ですっぱ抜かれることもなく発表まで漏れることもなく女性の匂いを感じさせずに気づいたら結婚していた。

ファンクラブ向けのコメントは、気遣いと優しさに溢れていて、自分の人生において非常にめでたい出来事だから「結婚した‼️ヤッター‼️超うれしい‼️幸せになるわ‼️」くらいのテンションでいても良いのに、ファンのことをよく考えてくださっていて申し訳なさが滲み出ていてアイドルの加藤シゲアキさんだなぁと思った。

加藤さんはこんなにも私たちのことを考えてくれているのに、覚悟と責任を持って決意を固めたのに、これからも楽しませてくれると未来の話をしてくれているのに。何から何まで完璧だった。

それなのに、「おめでとう」のたった一言が言えない私は、何なのだろう。

自分が自担と結婚したい訳じゃないし、結婚しないでほしい訳でもない。だけど、大好きで憧れで尊敬している自担のお祝い事を、素直に喜ぶことができず祝福の言葉を投げかけられない自分が嫌で仕方なかった。自分のものにしたいなんて思わないけど、誰かのものになったという事実を簡単に受け入れることができない。あぁ、オタクって、私って、こんなにも我儘なんだなぁと悔しくなったし、平気なふりして全然平気じゃなくて、好きになりすぎてしまったことを自覚した。

だけど、加藤さんが好きなこと、楽しいと思えることをたくさんしてほしいし、幸せになってほしいし、健やかに生きてほしい。自分よりもまわりのことを優先する優しさも好きだけれど、もっと我儘になって自分を優先してほしい。これは私がずっと思っていることなのは間違いなくて、結局は心健やかに生きていてくれればいいのかな〜と思う。これもオタクのエゴだと言われたらそれまでだけど。

 

加藤シゲアキさん、ご結婚おめでとうございます。

 

え、今?って感じだけど、自分の気持ちを少し整理することができて言える!と思ったタイミングが今だったので。なんだか文字にするとズンとくるし、元気よくバンザイするほど祝福できる気持ちまではまだいけてなくて、ごめんなさい。

けれども、結婚したから加藤さんのことを好きじゃなくなるなんてことはなくて、ネットニュースに使われたアー写を見れば顔好きだな〜になるし、ラジオを聴けば声好きだな〜喋り方好きだな〜になるし、今も加藤さんのことが大好きなのは変わらない。既婚者を推すのが初めてなのでこれからどういう気持ちになるのかはわからないけれど、アイドルの、NEWSの加藤シゲアキさんのことはこれからも大好きで応援し続けるし、さらなる高みを目指す加藤さんが見させてくれる景色を私も見てみたいと凄く思う。

これから先、ライブ等で生で加藤さんを見た時にふとした瞬間に"結婚をしているという事実"がちらつくかもしれない。それは経験してみなければわからないことだから今は何も言えないけれど、少なくともそこにいるのは"アイドルの加藤シゲアキ"さんであることを念頭において、割り切って見る心構えは必要だと思う。少なくとも私はそれがファンとしての礼儀なのかなと思う。

 

昨日頑張った分、今日は特に何もしなかった。昨日は目を背けていた自分の感情と正面から向き合って、今できるところまで気持ちの整理をした。ここまで思ったことを吐き出した結果として、モヤモヤを7割くらい消化できた。やはり、いつまでもうじうじしていられないし、考えれば考えほど苦しくなるのなら、割り切って前に進むしかない。

結局のところ、寂しいんだなぁと思う。時期的にも、進級や卒業をする時に感じる寂しさに似ているような気がする。私自身、毎年3月4月は特にメンタルが弱くなる時期だが、あらゆるものが一斉に変わりゆくことに気持ちが追いつかず不安定になる。そういったことは、自分のペースでちょっとずつ受け入れて慣れていけば良いのだと思う。これも時間が経つのを待つしかない(のだと推しの結婚を経験した家族から励ましの言葉をもらった)。おそらく今年も下半期にはNEWSに会える機会をつくってくれるような匂わせもあるし、それまでにじっくりと自分のこの言葉にできない感情を整理していくしかないのだと思う。

 

ということで、初めて推しの結婚を経験した話についてだらだらと書きながら自分の気持ちを整理した。とは言いつつも、ごちゃごちゃして何を言っているのかわからなくなってしまったなぁ。しばらくは結婚のことが頭の片隅に居て、時々引き出しては考えることがあるのだろう。それでも私はこれからも加藤さんが出演する番組を見たりラジオを聴いたりして、ワーキャー盛り上がって楽しむのだと思うと単純な人間だなぁ… だけど、モヤモヤした言葉にできない感情も、こうやって吐き出した考えも、全部抱きしめて大切にしていきたい。

 

ここまで気持ちを持ってくるのにたくさんの温かくて優しい言葉をかけてくれた人たちにはたくさんのありがとうを伝えたいです。ありがとうと伝えることしかできないのがもどかしいけれど、私もそんなふうに誰かに寄り添える人になりたいなぁと思いました。本当にありがとうね。

 

オタクたちみんな!!!!!無理して笑わなくていいし元気じゃなくていいしたくさん悲しんで沈んで泣いたっていい!!!!!こればかりは人それぞれ思うことが違うし、受け入れるペースだって違うし、祝福できるから偉くて祝福できないから駄目みたいなのは全くもってないから!!!!!!アンビバレントな気持ちがぐるぐるして様々な感情に押し潰されそうになりながらも、今は好きなことしていっぱい自分を甘やかして生きようね!!!!!!!!あったかくして寝て美味しいもの食べたり綺麗な空気を吸ったりして、少しでも心穏やかになるよう過ごそうね!!!!!(と私自身にも言い聞かせている)

 

加藤さんが強い決意を胸に前へ進んでいくことに、私はまだ同じスピードでついていけないけれど、いつか、心の底からおめでとうと喜べる時がきて、私も決意を固めて同じスピードで前へ進んでいくことができたらいいな。

こんなファンでごめんなさい。ありがとう。大好きです。

 

 

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タイトルは櫻坂46さんの『隙間風よ』の歌詞の引用です。もともと好きな曲なのですが、今グッと沁みる歌詞がところどころに散りばめられている気がします。私がどれだけ考えていても世界は無視して回る、時間はあっという間に過ぎていく。だけどそれは決して無駄な時間ではなくて、ノルマをこなして時間を有効活用する日もあれば、ぼんやりと考え事をしていたら一日が終わる日もあって良いと思います。加藤さんの3月のテーマのように、自分を大切にしながら時間も大切にして、一日一日を丁寧に過ごしていきたいですね。